アルデバランの子どもたち

眠りの前に

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アイは、なんでも一番に自己主張する、目立ちたがり屋。

イリヤは、とびきり頭がいい。

ウルドは前世をおぼえているという。
だから、ウルド。

エリナはお人形遊びが好き。

オーランドは、やんちゃなイタズラっ子。
いつも、ロイドの手を焼かせる。

巨大な赤色矮星(せきしょくわいせい)は膨張し続け、もうじき、その光を失うだろう。

人間たちは新しい住処を探しに遠い宇宙へ旅立ってしまった。

長い宇宙の旅を生きぬけるように、人間は自分たちを改良した。

ここに残されたのは、実験段階の初期に作られたプロトタイプの子どもたち。
宇宙の旅には適さない。粗悪品。

優秀な種だけをつれて、人類は旅立った。

カーマはオシャレ。

キャロルはオシャベリ。

クリスは水族館が好き。
魚が全滅してしまったときは何日も泣き続けた。

ケイトは手芸が得意。
人形の服やヌイグルミを作るために、いつも材料を探しまわっている。

コスモは宇宙船のパイロットになりたかった。
でも、宇宙船は彼らを置いて行ってしまった。

子どもたちの名前に整合性などありはしない。
なぜなら、これまで、ここで生まれた子どもは数えきれないほどいたから。