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楕円形の卵のようなシェルター。
これまでも死んだ子どもは、ここへ入れてきた。
何千年か前、人間が宇宙に旅立っていった直後は、ここも、ガランとしていた。
とうてい、ここにあるすべてのシェルターが埋まることはないと思っていた。
でも、今では、ほとんどのシェルターが埋まっている。
あの子たちは特殊な改良をされた子どもだ。
宇宙船で消費エネルギーを抑えるために、五、六さいの子どもの姿のまま成長しない。
成長するのは目的地について、成長ホルモンを投与したときだけだ。
永遠の子ども。
ロイドの愛する子どもたち。
子どものまま数百年を生きるが、最後は必ず、いなくなってしまう。ロボットとは寿命が違う。
タルトはお絵描きが上手。
チーズはかけっこが得意。
誰よりも足が速い。
ツイードは、だんまりや。
ティムは星を見るのが好き。
ドームの空を見あげ、星くずを数える。
ドリームは夢想家。
いろんなお話を作って、みんなに話して聞かせる。
翌日、今度は朝食の最中に、いきなり、スージーが倒れた。大好きな甘いゼリーのボールに頭をつっこんで。
ロイドが急いで引き起こしたときには、もう息が止まっていた。見ている前で、急速に髪が白くなっていった。
違う。クリスは心労から体調をくずしたわけじゃない。
もしや、疫病か?
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