第1章

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翌日、大家のもとへすぐに向かい、今までのことについて、大声で喚き散らした。すると大家はたどたどしい口調で話し始めた。  「実はこのアパートでは、飛び降り自殺が過去に起きていました。しかし、不動産会社の方からは、もう報告する義務である期間は過ぎているから、入居者には話さなくていいと言われていたもので......」  「ふざけるな!こんな部屋出て行ってやるからな!」 男は自殺という言葉を聞いた途端、憤慨し大家の言葉を遮って、大家から離れていった。 数か月後、引っ越し業者が男の部屋から出入りする様子を、遠くの場所から見守るように大家が見ていた。男の言動に違和感を感じながら、呟く。  「飛び降り自殺した人は男性の方だったと聞いたんだけどねぇ」
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