眠れない女と眠りたくない男

4/8
前へ
/8ページ
次へ
「そうだ、だから副作用はない、眠る準備をして、ぐいと飲め、そうすれば眠れる、ジュースだから代金はいらん」 「わ、わかりました。やってみます」 女性が小瓶を抱えて薬局を出ていった。 ほんとに効くのかな… 女性が言われた通り眠る準備を整え、ベットに座り小瓶を見つめる。 もう、信じるしかない… 女性が小瓶の蓋を開けグビと液体を口に入れる。 ウ…すっばい! 強烈なすっぱさが口に広がる。 こ、これは、すっぱい、すっぱいなんてもんじゃない、痛い、頭に突き刺さるみたいにすっぱい! 頭がくらくらして女性がベットに横たわる。 すっぱい、すっぱい、すっぱい、あー気持ち悪い、動けない… すっぱいが頭の中にいっぱいになったり女性は意識が消失した。 次の日 女性は鳥のさえずりで目を覚ます。 私、眠ってた? ベットから起き上がりあたりを見回す。 もう口の中のすっぱいは消えている。 窓辺に立ちカーテンを開ける、朝日が女性に降り注ぐ。 なんか、気持ちいい… なんか爽快、これならプレゼンもうまくやれそう。 急いで準備を済ませ、いつもより少し早く家を出る、あの薬局に寄るため。 小走りで駆けつけ勢いよく薬局の扉を開ける。 薬剤師は昨夜と同じ受付に座っている。     
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加