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1.CC357年 8月4日 箱庭のお姫様の正体
side.カレン
私はとうとう20歳となった。私の周りの令嬢は次から次へと結婚していき、私は何だか取り残された気分だ。──でも、私の幼なじみだけはなぜか結婚をしていない。彼女も一人娘なはず。結婚を早くしなければ、お家の存続は危ういはずだろう。
そんな感じのことをティータイム中に当のリサに話してみると、彼女は苦笑した。
「いやー、それが、魔法使いってそんなに単純じゃないのよ。私の家はさ、光が専門だから余計に複雑なわけよ。相手が私以上だったら、そこでおしまいなわけ。特に女は厳しいらしいの。婿入りしてくれる、それなりに強い魔法使いを探さなきゃならないからね」
「それは大変ね」
「うん、本当に大変。お父様はオールマイティーな魔法使いか最高位の光の魔法使いを狙っているみたい。でも、中々話はまとまらないわ」
「そう」
「カレンは? あのお母様的にさっさと結婚させようとしているはずだけれど……」
「それが、お父様とお母様の間でもめているの。本当に呆れてしまうわ」
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