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「俺の言ってるの、その付き合う…じゃないんですけど」
そう言ってヒロトは呆れたように笑った。
「でもまあ、今日の放課後、駅前のケンタッキーにでも行きますか」
それが2人の出会い。
その後も、カメラの中の写真を消してもらうため、ヒロトの言いなりにデートを重ねた二人。
でも、ヒロトは、デートするだけで、特にそれ以上なにかアクションを起こす訳でもない。
デートの間に手も繋がない。もちろんキスもしない。
二人でどこかに行って、お茶して、夕方には帰る。
実にピュアなデートだ。
反対に、アユミ今まで付き合ってきたオトコは、みなもっとガツガツしていた。
アユミは、アユミ自身が勇気がなかったせいでキス以上のことは許しはしなかったが、デートしたオトコはみなJKのカラダ目当てで迫ってくるヤツばかりだった。
中には最初からアルコールを飲ませてホテルに連れ込もうとする気持ち悪いヤツもいた。
過去のデート相手はそんなオトコばかりの中での、草食系のヒロトとのデート。
次第にアユミの意識も変わっていく。
『コイツ、可愛い…』
ヒロトの、年上のアユミを、一生懸命で、さも慣れてる風にリードしようと頑張る姿に、アユミは惹かれ始める。
テンパると時々中二病的な発言が顔を出すのも、萌えるポイントでもある。
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