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一階のキッチンで紅茶を淹れて2階の自室に戻る。
アユミはコーヒーは飲めない。いつも紅茶だ。
「はぁ…おいし」
まだまだ勉強を再開する気分にならないアユミは、スマホの画面をタップし、写真フォルダの中のヒロトと二人で撮った写真を眺める。
何時ものように順番に一通り眺めたあと、今度は本棚に並ぶ参考書やテキストを数冊取り出し、その奥に隠されるようにしまってあったノートを手に取った。
写真を見るだけでは収まらなくなっているこの気持ちを吐き出すため、冬休みに入ってから、アユミはヒロトへの思いを書き留めていた。
ねえ。知ってる?
最近私、ヒロトからの電話や
メッセージがあっても
すぐ分かるように、
スマホを握りしめて
寝るクセがついたんだよ。
今日もスマホが震えた気がして
画面を見てがっかりしてばっかり。
おかしいでしょ
受験勉強じゃなくて、
ヒロトのせいで睡眠不足だよ。
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