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2.ホントノワタシ
その電話は、ヒロトからだった。
クリスマスイブ以降、久しぶりの連絡だ。
でも突然の電話は、嬉しさよりも驚きの方が大きい。
ココロを落ち着けるため、画面に表示された名前を見つめながら、たっぷり5コール待ってから電話に出た。
「もしもし…」
「もしもしアユミさん?ヒロトです。
突然ごめん。今電話大丈夫?」
「うん、今さっき塾終わったとこだけど…
てか、何だよ。急に電話してきて。
何日も放置しやがって。
大晦日に急に電話されても、私も色々あるんでヒマじゃねえんだよ。
なんか用か?」
照れ隠しで一気に捲したてた。
動揺すると昔のように口調が荒くなってしまうのは、悪いクセだ。
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