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「お、おい、お前、な、舐めてんのか」
もう一度怖がらせようとするものの、アユミも動揺して声が上ずる。
「舐めてないっすよ」
そういうと、ヒロトは突然ポケットからスマホを取り出し、タバコを指に挟んだまま自分を見ているアユミにレンズを向けた。
「て、てめえ、何してんだ?」
「写真撮ってるんですよ」
ヒロトはそう言うと、満足そうに画面を覗き込む。
「いいのが撮れました。
これ持って、これから職員室に行こうかな。
いや、体育教官室がいいかな」
「わわわわかった。ごめん言い過ぎた。
だからボクちゃん、写真は消そうね」
「イヤです」
「ごめん。バカって言ったのは謝るから」
形勢逆転され、必死に謝るアユミは、胸の前でお願いのポーズをとるが、ヒロトは無視して職員室の方向に向かって歩き始める。
「ホントごめん。なんでも言うこと聞くから、先生には言わないで」
ヒロトに追いついたアユミは、ヒロトの腕を掴んで懇願する。
「そうですねぇ。じゃ、付き合ってくれたら、黙っててもいいですよ。
俺が満足したらこの写真も消します」
「お?そんなことでいの?
いくらでも付き合ってやるよ。
どこ行けばいいんだ?マック?モス?それともミスド?あ、ケンタならクーポン券もってるし!」
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