君キス2

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「何これ」 「誕生日プレゼント」 袋の中を覗くと、四角いキャンディーのボックスが入っていた。 「ってこれうちの商品じゃん!」 「美味いよなこれ」 知ってるよ! なんて、ふたりで軽口を叩いてまだ廊下で立ち止まっていたのだが、「吉住さん!」と少し慌てた調子で今度は佐々木さんが私を呼んだ。 「良かった、まだ居て。東武の店舗から電話入ってます」 言いながら、彼女の眉がきゅっと細められる。 その表情だけであまりよくない電話なのだろうと予測すれば、案の定だった。 「なんかちょっと、大変みたいです。店舗にクレームが入ったらしくて」 「え」 「先方、かなりお怒りのようで責任者を出せって」
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