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「どうして、ですか」
「吉住は結構、頭でっかちだよね。色々考えてしまうのはわかるけど、男だとか女だとか関係なく君の性格はマネージャーに向いてるよ。素直でなんでも吸収するスポンジみたいなところがあるから、教え甲斐もあった」
仕事面で、まさかそこまで言ってもらえるとは思わなくて、なんて返せばいいやらわからなくなった。
照れくさくなって、つい目線が逃げる。
「そうですか?」とかろうじて出た声は素っ気ないものだ。
「……困らせてないなら、良かったです」
「別の意味では、困ってるけれどね」
お腹にあった彼の両手の片方が、私の首筋に上がり顎の下を擽った。
そっぽを向いてないでこっちを見て、という合図だとなんとなく察して目線だけ動かせば、ちゅ、とコメカミにキスが触れた。
「別の意味、って?」
「真帆を含め、女性社員が気兼ねなく働けるようにと思う反面、そうしたら真帆は今より仕事に夢中になってしまいそうだな、とも思う」
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