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私の言葉に彼は少し目を見開くと、次には嬉しそうに微笑んだ。
「そんなに心配されてるとは思わなかった」
「心配しますよ……好きな人が怖がられてるなんて知ったら誰だって。これからちょっと、出張も安心して送り出せます」
腰に回った腕に、ぐっと力がこもる。
反動で自然と上向いた私に、彼が首を傾げて近づいた。
下唇、上唇と順に啄むと、次は唇の隙間を縫って舌が浅く絡みつく。
さっきのキスの続きが始まる気配に、私は少し顔を反らして避け、会話を繋ぐ。
「木藤さんと、少し話して聞きました」
「ん？」
避けても彼のキスは場所も会話もお構いなしで、唇の端や頬に優しく降ってくる。
「彼女が育成に回った経緯とか……その……色々」
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