奪うものの分だけ、それ以上

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『この時期に別れるの多いけど今回は大丈夫そうねー』 と、カナちゃんから茶化された。 実際に過去私たちが別れたのも、このイベントが畳み掛ける繁忙期の、最後の方だった。 私たちには明確な原因があったけど、それだけでなく疲弊したり余裕をなくしたり、そんな要素も加わったのは否定しきれない。 が、今回はただただ仕事に追われ忙しいのはその通りだが、仕事に集中できたのは朝比奈さんとの関係に何の不安も感じなかったからだと思う。 そう仕向けてくれているのが朝比奈さんだということにもちゃんと気付いている。 クリスマス、年末年始が過ぎ、バレンタインとホワイトデーは忙しいながらに互いに用意して贈り合い、三月末の朝比奈さんの誕生日には、久しぶりにデートをしてゆっくりとした時間を過ごした。
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