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舌先が触れ合う。
薄く目を開けたままでいると、彼女の瞼がぴく、と震えているのがわかった。
たまらず絡め取って擦り合わせると、甘さが口の中に広がったような気がしてじゅんと唾液が溢れる。
濡れた唇が擦れ、ざわ、と肌が粟立つほどに気持ちが良くて、つい夢中で彼女の口内を舐めた。
彼女の息が上がる。
ん、と彼女が洩らす声を僕が飲み込み掻き消して、舌先に歯を立てる。
首筋を支える指が、無意識に彼女の肌をくすぐって、耳の縁を撫でた。
その瞬間だった。
ぴくっ、と彼女の身体が跳ねてしまった。
唇は合わせたまま、互いに息を潜める。
もぞ、と彼女の胸元で、花帆が動いた気配がする。
「……ふぇっ」
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