番外編SS

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半年前、娘が生まれた。 陣痛が始まった時、大阪出張に出ていた僕は、どうしてこんな日に大阪なんだと慌てて仕事を片付け、新幹線に飛び乗った。 初産にも関わらずスピード安産で、誕生の瞬間には間に合わなかったが。 真帆は、疲れているだろうに眠らずに待っていてくれた。 「由くんが、初めて抱っこするときの顔が見たくて」 「満足?」 「うん。蕩けそうな顔してる」 寝転びながら、ふふ、と彼女は微笑んだ。 確かに蕩けそうだった。 腕に抱いた時の、ふんわりとした柔らかさと温もりに愛しさが込み上げた。 「真帆、ありがとう」 僕達は同棲期間もあり長く一緒に暮らしていたから、僕はすぐにでも子供が欲しいと思っていたけれど。 結婚して2ヶ月もしないうちに妊娠がわかった。 おそらくはハネムーンベビー。 それから半年。 僕はいつか誓った通り、どんなに忙しくても一日一度は抱っこし、オムツも変えた。 僕は、子供に好かれない。 自分の子供に嫌われるのだけは、なんとか回避したい。 よくなついてくれた。 僕に抱っこされると、ぱっと嬉しそうに笑ってくれて、あやしてやると楽しそうな声を上げた。 だかしかし、それはある日突然やってきた。
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