3756人が本棚に入れています
本棚に追加
「良い匂いがする」
「ごめんなさい、今日は花帆がぐずって、肉じゃがしか作れてなくて……」
そう言えば、ちょっと疲れた顔をしている。
夜に起こされることが多いから、日中で昼寝をして睡眠確保しているはずだけど、今日はそれもままならなかったのかもしれない。
「充分。花帆はリビング?」
「うん、今やっと寝たとこ」
ふたりでリビングに入り、彼女はキッチンへ、僕はソファセットの近くに置かれたベビーベッドに近づいた。
「花帆、ただいま」
ベビーベッドの中では、六か月になった娘の花帆が眠っていた。
起きていたら抱っこできるのにと残念に思いながら眺めていると、花帆がぱちっと目を開く。
最初のコメントを投稿しよう!