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「……あんまり、気にしないでね」
「ん?」
「由くんだけじゃなく、今は私以外誰もダメみたい」
僕が落ち込んでいることに気付いてくれていたらしい。
そう声をかけてくれた真帆の横に、ソファを揺らさないようゆっくりと腰を下ろす。
「大丈夫。きっと一時的なものだよ。けどそれまで真帆の負担が増えるね」
「私は平気。落ち着いてる時に休んでるから」
真帆の胸にぺったりとくっついて眠る花帆の顔を覗き、柔らかい髪を撫でた。
それから、次は真帆の髪も。
撫でると、気持ちよさそうに目を細める。
そういえば、花帆に泣かれるようになってからお互いに余裕がなくて、触れあう時間が減っていた。
真帆の頬に手を添えてこちらを向かせる。
ちゅ、と軽く唇を啄んだ。それでは足りないと、真帆が潤んだ目で続きを催促する。
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