番外編SS

8/41
前へ
/41ページ
次へ
「……あんまり、気にしないでね」 「ん?」 「由くんだけじゃなく、今は私以外誰もダメみたい」 僕が落ち込んでいることに気付いてくれていたらしい。 そう声をかけてくれた真帆の横に、ソファを揺らさないようゆっくりと腰を下ろす。 「大丈夫。きっと一時的なものだよ。けどそれまで真帆の負担が増えるね」 「私は平気。落ち着いてる時に休んでるから」 真帆の胸にぺったりとくっついて眠る花帆の顔を覗き、柔らかい髪を撫でた。 それから、次は真帆の髪も。 撫でると、気持ちよさそうに目を細める。 そういえば、花帆に泣かれるようになってからお互いに余裕がなくて、触れあう時間が減っていた。 真帆の頬に手を添えてこちらを向かせる。 ちゅ、と軽く唇を啄んだ。それでは足りないと、真帆が潤んだ目で続きを催促する。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3756人が本棚に入れています
本棚に追加