番外編SS

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頬に添えていた手を一度離し、唇の前で人差し指を立てた。 声を出してはいけない。 身体を動かすのも最低限、特に真帆が動けばすぐに花帆に伝わって起こしてしまう危険がある。 小さく頷いたのを確認して、彼女の首筋を支えながら顔を傾げて近づく。 ゆっくりと重ね、唇の肌を湿らすように何度も食む。 キスは、毎日してる。 だけど軽いものが多くなって、こんな風にゆっくりと触れ合うのは減ってしまった。 薄い肌を味わうように舌で舐め、濡らすと真帆が小さな声を洩らした。 甘い声。 一度唇を離して、もう一度指で触れる。 下唇を親指で少し開かせ、深く合わせて舌を潜らせた。
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