1話 私の家とお隣さん

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私は『加藤 愛花』。高校2年生の17才。 容姿はいいみたい。けっこうモテる。自分でもけっこう美人顔だし、スタイルもいいと思ってる。 普通の一戸建てにお父さんとお母さん、3人で住んでいて、2階が私の部屋。 お隣さんは昔から住んでいる『須賀 陸人』と、そのお父さん。 陸人は私の3つ上で、今は20才。 陸人は小さい頃から目立つくらい、カッコいい。 私が知ってるのは陸人のお母さんがメチャクチャ美人で、陸人はお母さん譲りだと思う。 だけど陸人のお母さんは浮気しちゃって、陸人が中学に上がる時にお父さんと離婚して、男の人と出て行ってしまった。 小さい頃は私とよく遊んでくれてたけど、その頃からあまり遊ばなくなった。 まあ、年頃ってのもあったと思うけど、陸人なりに傷ついていたんだと思う。 私の部屋と陸人の部屋は向かい合っていて、小さい頃は窓を伝って行き来なんかしていたけれど、その頃から陸人の部屋は窓が閉まったままだった。 あまりいい噂も聞かなくなった。 遊びまくってるとか、ほとんど家に帰ってきてないとか。 仕事してるらしいけど、なんの仕事なのかもわからないらしい。 私は私で中学に上がると体が女らしくなり、おっぱいがデカくなるし、なんだか異性にもモテて、興味ないわけじゃないけどそれなりの中学生活を過ごした。 多分、私にとっての『異性』っていうのは陸人だけなんだと思う。 告白とかされたけど、基準が『陸人』なんで、陸人より不細工だなあとか、陸人より背が低いなあとか、そんな理由で断ってた。 で、当たり前だが彼氏ができないまま、17才になってしまった。 当の陸人は年なりにカッコ良くなって、たまに見かける度にドキンとしてた。 陸人はそんなのわかってないんだろうけど。 私の部屋の窓際にはベッドがあって、陸人がたまに帰ってくると電気が着くからわかっていた。 子供の頃から行き来できるくらいの距離なので、今なら手を伸ばせば陸人の窓に手が届く。 その日は久しぶりに電気が着いていたので、なんとなく窓際に座り、手を伸ばしてノックしてみた。 窓に陸人のシルエットが映り、窓が開いた。 「陸人、久しぶり。何してるの?」 「愛花、久しぶり。…仕事の準備」 「陸人、仕事してるの?」 「当たり前だろ。いくつだと思ってんだよ」
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