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その頃、1階ではまたまた勝手に話が進んでいた。
「愛花のお色直しは2回は見たいわ!純白はもちろんだけど、ピンクが似合うから!」
「親族はなんとか合わせれるけれど、来賓は聞かないとわからないなあ」
陸人お義父さんも本気で口を出していた。
「陸人の関係者を呼ぶとかなりな数になりますなあ………愛花ちゃんも合わせたらだいぶ広い会場でないと無理でしょうねえ」
「と、なると、引き出物も安いのやパンフレットで選ぶってよりも、ちゃんとオーダーメイドした物よね?」
「なんだかもう緊張してきたぞ!」
「私もよ!留袖、新調しようかしら?」
「とにかく、2人が『仕事』に追われる前に、式だけはしちゃいましょう!」
「本当に!あの2人は仕事仕事で全然考えてないから!」
そして勝手に式場は決められ、勝手に招待状は配られまくった。
お母さんに抜かりはなかった。ちゃんと中森さんに聞き、愛花の関係者をきちんと調べ、陸人の関係者もきちんと調べ、招待状は探偵の南田さんにまで配られていた。
しかもちゃんと陸人お義父さん、お母さん、お父さんは事務所の社長にまで勝手にきちんと挨拶しに行っていた。
学校での休み時間、ダラダラとしていたら歩美が矢継ぎ早にギャーギャーに話かけてきた。
「もう!なんで在学中にする事にしたの?私、小田さんと大石さんとの出席にしたら、八木澤さんが拗ねて大変なんだから!」
「なんの話?」
「そりゃ確かに映画終わったらドラマだし、時期考えたら今しかなかったかもしれないけどさ、八木澤さんは『ドラマが狂うー』ってなってて、小田さんは『独占はうちだけか?!』の、大パニックだからね!」
「………いや、だから話が見えてないんだけど?」
「2人が主役なんだからしっかりしてよ!愛花と陸人さんの結婚式だからね?!」
思いっきり、イスと机を倒して叫んだ。
「はあああーーーっっ?!!!」
もう、さすがにめちゃくちゃ。
お母さんに問い詰めたら
「あんた達に任せてたら『忙しい』『仕事が詰まってる』で、式なんかいつまでもできないでしょ?入籍はいつでもできるけれど、式は今しかできないからね!気がついたら『妊娠してた』ってなったら式もできなくなっちゃうしね」
もう、開いた口が塞がらない。
陸人もポカンとしてるだけ。
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