必然の歯車

　かち　かち　かち　かち　かち　かち　かち　かち　かち　かち　かち　かち
　そうして今に至る。俺は回転していた。首から上だけを、かろうじて動かすことができる。
　かち　その一音ごとに俺は一センチ回転する。
　かち　俺の体内時計による計算でしかないが、
　かち　一周はだいたい六分だ。
　かち　俺の好きなインスタントカップうどん。
　かち　お湯を入れてから完成までには五分かかった。
　かち　俺は柔らかいうどんが好きで一分多く待った。
　かち　一周はちょうど、そんなような時間だ。
　かち　一周に　かち　という音が何回鳴るのか数えた。
　かち　３６０回だ。一周３６０度。一度ずつ回転する。
　かち　暇でなんども数えたから数は正確なはずだ。
　かち　一音から一音までを一秒と考えれば、六分になる計算だ。
　かち　合っているだろう。
　か　ち　　　か　ち　　　か　ち　　ほら、一秒だろう。