2人が本棚に入れています
本棚に追加
薫が満面の笑みを浮かべると、机ひとつ挟んで向かいの椅子に座った。
「あぁ~彼氏欲しいなぁ!宮本先輩みたいな彼氏がほしいよぉ!」
薫が箸にタコさんウインナーを挟みながら、そんなことを言い始めた。
「宮本先輩って3年のサッカー部の人だよね?」
宮本先輩は学校1イケメンで、女子の中ではアイドル並の人気で、次々と玉砕者が出初めている。
男子からも人気で頭もよければ、先生のお気に入りでもある。
しかし、麻美は一切興味はなかった。ブス専という訳では無い。それでブルドッグ先輩のことを好きになったわけではないのだ。
数々とブス男は見続けているが、恋愛という感情は生まれない。
しかし今、麻美の頭の中ではあのブルドッグ先輩しかいない。
「ねぇ、あさみんは彼氏作らないの?」
「んー、まぁ好きな人ができたらね」
薫にブルドッグ先輩のことが好きなのは、まだバレたくなかった。
きっと、反対されるに違いないからだ。
「そっかぁ~、まずはそっからだよねぇ~」
薫がタコさんウインナーの頭をかじった。
「ねぇ薫、薫がもし誰かに一目惚れしたらどうする?」
薫は特に恋愛経験が豊富というわけではないが、麻美よりかはマシだった。
他にアドバイスを聞く相手もいないので、薫に頼る他なかった。
最初のコメントを投稿しよう!