初恋

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薫が満面の笑みを浮かべると、机ひとつ挟んで向かいの椅子に座った。 「あぁ~彼氏欲しいなぁ!宮本先輩みたいな彼氏がほしいよぉ!」 薫が箸にタコさんウインナーを挟みながら、そんなことを言い始めた。 「宮本先輩って3年のサッカー部の人だよね?」 宮本先輩は学校1イケメンで、女子の中ではアイドル並の人気で、次々と玉砕者が出初めている。 男子からも人気で頭もよければ、先生のお気に入りでもある。 しかし、麻美は一切興味はなかった。ブス専という訳では無い。それでブルドッグ先輩のことを好きになったわけではないのだ。 数々とブス男は見続けているが、恋愛という感情は生まれない。 しかし今、麻美の頭の中ではあのブルドッグ先輩しかいない。 「ねぇ、あさみんは彼氏作らないの?」 「んー、まぁ好きな人ができたらね」 薫にブルドッグ先輩のことが好きなのは、まだバレたくなかった。 きっと、反対されるに違いないからだ。 「そっかぁ~、まずはそっからだよねぇ~」 薫がタコさんウインナーの頭をかじった。 「ねぇ薫、薫がもし誰かに一目惚れしたらどうする?」 薫は特に恋愛経験が豊富というわけではないが、麻美よりかはマシだった。 他にアドバイスを聞く相手もいないので、薫に頼る他なかった。     
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