この世界じゃない世界のどこか

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グリンはホットケーキがちょっと焼けて、固まったところで、ヘラを使ってホットケーキをフライパンの真ん中にずらした。これでちゃんと焼けるだろう。生の生地があちこちにとんだので、最初よりもちょっとだけ、薄くなってしまったけど。  ホットケーキの生地がなくなるまで、グリンはホットケーキを焼いてはお皿にのせた。お皿は4枚しかなかったから、5枚目からは重ねてのせていった。  どんどん焼いて、どんどん重ねて、ホットケーキの山が4つ出来た。  ニッキはホットケーキにハチミツをたっぷりかけて、お腹がはち切れるほど食べた。グリンもお腹いっぱい食べたので、茶色の長い毛が立ち上がって、丸い体がますますまん丸くなった程だった。  「オレの誕生日も、ニッキと一緒でいいな」  とグリンは言った。けれどニッキは反対した。二人の誕生日を同じ日にしたら、特別な日が一日減ってしまう。「もったいない」から、半年後にしようと言った。  「それもそうだな」  とグリンはまん丸くなったお腹をユサユサ揺さぶった。
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