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雨滴、焔と共に。
静かな涙ははらはらと落ちていく。
空の流す涙は自然を潤していく。
「……涙雨はいつまで続くのかね」
空は白く明るい。
こまかな雨が降っている庭。
咲き誇る花たちは嬉しそうに濡れている。
永きを見てきたきみの
心に積もった悲しみを
まるで空が代弁しているみたいだ。
なんて、言わないけれど。
「さぁ、でもこの雨のあとは涼しくなるな」
紫陽花の咲いた水まんじゅうとお茶。
それだけでもきっと心に花が咲く。
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