睡眠世界の結末は

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今までいたことを証明するようにへこんだ枕へ手を振れれば、ほんのりと体温の名残りを感じ、間違いなく彼女がそこに寝ていたことを教えてきた。 その日はそのまま寝つくことができずに一晩を過ごし、翌朝目覚ましをセットした時間を僅かに過ぎた頃、俺がまた一瞬目を離したタイミングで茉那は何事もなかったかのようにベッドの上へと現れた。 そうして、この不可思議な現象は今日まで一日も途絶えることなく継続されてきた。 「……」 二年前、誕生日の翌日だったか、茉那は目が覚めると面白そうに笑いながら “あたし、夢の世界でもちゃんと成長してるのよ。誕生日もこっちと同じで、二回お祝いしてもらえるから得した気分” と話していたのを思い出す。 向こうの世界はこちらで言うところのファンタジー世界であるらしく、ゲームに登場するようなモンスターが当たり前に出没するようで、茉那は両親や仲間たちと共にそれらを退治しながら路銀を稼ぐ仕事をしているということだった。
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