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火や風を利用する技や――ゲーム等で使われる魔法みたいなものか――、特殊な力を秘めた剣による秘技を使いこなし、茉那もまた父親から指導を受けながら剣士として実力を発揮しているらしい。
“やっぱり繋がってはいるのかな。向こうで怪我をしたりするでしょ。そうすると、こっちで目覚めた後も同じ場所に軽く痛みが残ってたり体調が優れないことも多いのよ”
トカゲの化物と戦い腕を噛まれたと言っていたときには、そんなこともぼやいていた。
傷はなくても、痛みやダメージは少なからずリンクしているようで、実際そう言うときの茉那は大抵具合が悪そうな様子だった。
俺たちの間に子供はいない。と言うか、作れない。
茉那が妊娠すれば、夢世界でどんな影響が出るかわからないし、こんな特殊すぎる体質を抱えて子育てをしていける自信がないというのがその理由だ。
本音を言えば、手遅れにならないうちに子供を産んでほしいという気持ちが強いけれど、彼女の立場を考えればそんなことを告げるのは憚られ、未だ二人きりの生活に甘んじている。
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