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「立つ?」
「そうだ、立たないと履かせることが出来ないだろう?」
何を思ったか全裸のリンは、テーブルの上で立ち上がってしまった為、ちょうど蒼の目の前に、リンのモノがブラブラと揺れていた。
「はぁ? お前なぁ……。なんで俺が、オス猫の……」
「ん? なんだ?」
蒼は、目の前にあるリンのモノを見ながら、猫も人間と同じ大きさなんだな……いや、こいつは猫のようで猫じゃないか。人のモノ……いや、猫のモノをまじまじと見るものじゃないな……などと独り言ちをしていると、リンが不思議な顔をしながら声をかけてきた。
「なに、ブツブツいってんだ? 気持ち悪いな……」
「うっ……」
リンに気持ち悪いと独り言を指摘された蒼は、恥ずかしくなり顔を赤らめた。
そして、じっと見つめてしまっていた目の前にあるリンのモノに対し、目をそむけて、恥ずかしさを隠すように、強めの口調でリンを注意する。
「ちょっ、テーブルの上に立つなって。見たくもないお前のモノが、俺の目の前にあるだろう。普通は、立てと言ったら床に立つものだろうが!」
「だって、お前の家の床が汚いから……。俺の足汚れるし……」
「文句言うなよ。猫はいつだって裸足だろう? それに汚い道路を裸足で、いつも猫達は歩いているよな」
「猫の姿と人の姿じゃ、感じ方も違うんだよ……。それに、俺は育ちもいいおかげで、綺麗好きに育ったしな」
ブツブツと文句を言っていたリンは、渋々テーブルの上から降りて、蒼の目の前に立つのだった。
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