恋い慕う想い

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「まぁ、ゆくゆくは父さんの後を継ぐしかないんだけど。でも、蒼も知っているだろう? 男でも孕めるってこと。抹茶と小豆がここへ来て聞いたんだよな?」 「あっ、でも、俺は……おじさんで、何も出来ないダメな人間で……それになにより男で……」 「そういうのは関係ない。むしろ、俺の方が人間より寿命短いからちょうどいいんじゃない?」 「……でも、俺……」 「蒼は、寂しさを紛らわすために俺の匂いを嗅いでいたんだよね? で、本当は、ここが熱くなったんじゃないか?」  リンはそういうと、首に回していた腕を蒼の中心部へ下ろして、ジーンズの上から撫でる。急なリンの行動に焦った蒼は、身を捩る。 「ちょっ。お前、な、なにすんだよ!」 「なぁ、俺たち既成事実を作ろう。そうしたら、蒼は認めるしかないだろう? ペットの好きじゃなく、恋愛がらみの好きだって。肌を合わせてみたら、きっと蒼の不安や疑問も吹っ飛ぶと思うんだ」  ニコッと綺麗な顔で微笑まれ、つい頷いてしまいそうになる自分を押しとどめる。  セックスをしてから恋愛か否かを決めていいのだろうか。  確かに『34歳になってまで、貞操を守ろうとするなんて』と、笑われるかもしれないが、今までもこれから先も好きな人としかセックスをしたくないし、まだ不確定な気持ちの状態で、セックスなんて出来ない。 「俺は、愛している人としたい。なのに、まだ自分の気持ちがわからない状態で、リンと……男同士でそういう行為するのは……」 「大丈夫だよ。蒼は気づいてないだけだ。俺と交尾したら、きっとわかる。ここから出ている匂いが、俺の事をそういう対象で好きって言っているようなもんだしな」  そう言うと、蒼の耳の後ろに鼻をくっつけて匂いを確かめた後、リンは舐め上げた。
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