恋い慕う想い

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「ちょ……」 「俺のも、こんなになってるよ」  蒼は、手のひらに感じる熱と硬さにビックリして手を引こうとするも、そのまま腕を掴まれ、しまいにはしっぽも巻き付けられしっかりと固定させられる。そして、手のひらにあたるように腰を打ち付けてきた。  蒼自身も、気持ちがよくてどうにかなりそうだったが、リンの顔を見上げると、快感に歪む顔がとてもきれいで、目を細めながら綺麗なリンを見つめていた。  リンは、蒼の先走りを指に纏わりつけ、そのまま後孔を刺激して、解していく。 「はッ…ん…えっ、な…に? あ…ッ…」 「ん? 何って? ここ解さないと、交尾できないでしょ?」 「んッ…なっ…やっぱり、ほ、ほんとにするのか…?」  さっきまで、自分の気持ちを確かめるために、セックスをするのは、しかたないと決心をしていたにも関わらず、実際そこを刺激された途端、怖くて決心が揺らぎそうになり、目の奥に不安気な色が濃くあらわれる。  その様子を慈しむようにリンは微笑みながら、蒼の髪の毛に指を通す。蒼の髪の毛1本1本、そして体のすべてが愛おしそうに優しく触る。  時折、リンも興奮しているのか耳がピクッっと反応しているのを見て、男の自分でも問題なさそうだと蒼は安堵した。 「交尾するよ。だって既成事実を作って、俺のことを恋人の好きだって認めてもらわなきゃならないし。それに、俺がどれだけ蒼の事を好きかっていうのを感じてもらわないといけないしね」 「んッ、はぁ…も…う少し…あ、とでも…今日は…ここまでに…しよ…」 「大丈夫、ほらもうだいぶいい感じに解れてきた」  指で優しく入り口を拡げるように愛撫を施される。その都度、クチュ…クチュ…と自分から聞こえてくる音に恥ずかしさで白い肌が桃色に染まっていく。  そして、先ほどまで蒼の手のひらにあたっていた熱くて硬いものが、とうとう後ろにあてがわれた。
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