第1話:この世の1番のミステリーは私の存在

2/7
前へ
/44ページ
次へ
ニート最高。 私は生活無能力者だと自負している。施設で育ったのにあまりの家事全般のダメっぷりに、「律(りつ)ちゃんは草むしり担当ね!」と言われて、ですよね!!と納得して毎日草むしりしていたし、私が家事なんてものをしてしまった日にはこの家が大惨事になってしまう。 まあ、ニートというのは表向きの職業(無職)であって、一応グレーゾーンどころかバレたらとてもやばい仕事をしている。 警察庁警備局……公安専属ハッカーだ。高校三年生の秋に、学校のパソコンからお遊びで警察庁のデータベースに侵入してちょっとイタズラしたら2ヶ月もかけて私を探し当て、高校と施設に警察庁の偉い人が三人位来てこう言った。 『身の安全と衣食住は保証する。その代わり公安専属のハッカーになれ。拒否したら勿論この場で逮捕する。』 イエス以外の回答しか無かったけど、それ以上に警察の保護下で生活出来るなら確実にこの厄介な体質も対応してもらえる、一石二鳥だ!と、安易に『いいよ、やるやる。』と言ってしまった。 あれから6年。残念な事に、私は未だに警察の方々に違う意味でお世話になりまくっている。 ほら、今もまた絶対後で来る光輝(こうき)にめちゃくちゃ怒られるんだ。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加