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わたし
私は自分がどうしたいのかわからなくなっていた。
何がそんなに嫌だったのか、それすらも分からない。
ただただ、心が痛くて、でも、誰にも頼れなくて。
気づいたらお家を抜け出して。
走って、走って、走って走って走って。
気づいたらそこは知らないところだった。
森のような場所で、木々が沢山あって。
でも、動物達の気配は全くしない。
(もうなんでもいいや)
急に寂しくなって私は思わずうずくまってしまった。
悲しい、寂しい、消えてしまいたい
そんな負の感情が入り交じって涙が溢れてくる
その時だった
カシャカシャと近くで音が鳴る。
思わず顔を上げるとそこには男の子がいた。
目がブルーでとても綺麗な目。
「あなたの名前はなぁに?」
思わず声をかけていた。
いつまでも見ていたい、引き込まれるような綺麗な目。
彼はどもっていたけども、
「僕は鬼だよ」
と答えてくれた。
自然と怖さはなかった。
ただ、彼はあまりにも寂しそうで、
私と同じ泣きそうな目をしていた。
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