慈愛の空音

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慈愛の空音

 公園の柵に手を乗せて、二人並んで街を見下ろす。  陽が傾き、太陽は沈もうとしている。  それを二人で言葉なく、見ていた。  彼が不意に私へ体を向けた。  空気の色が変わる。  私もまた背筋を伸ばし、彼に向かい合う。  最後まで凛としていたかった。 「いろいろ、ごめん」 「……うん」
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