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「おはよう」
「あ、おはよう。あれ? 青山は?」
春田くんが私に訊ねる。
「なんかね、今日は急用があって休みだって」
「へえ」
みんなあまり気に留めていない様子だった。
けれども、次の日も青山くんはバイトを休んだ。何かあったのかと心配になって訊いてみても、メールの返信は、
〈ごめん、ちょっと急用で〉
だけで、アオヤマファームのひとたちも青山家の親戚のひとたちも、
「仕事も彼女もホッポリ出して何してるんだ、あいつは」
と怒っている。さすがに他のみんなも、
「青山、どうしたの?」
と私に訊ねて来る。けれど、当の私が一番知りたい。
土曜日にメールをしても、
〈ごめん、手が離せない〉
だとか、
〈いずれ説明するからいまは待って〉
だとか、要領を得ない返事ばかりだった。親戚のひとたちも何も言っていなかったから、青山くんのお父さんに何かあったわけでもなさそうだった。
〈具合でも悪いの?〉
と訊いてみても、
〈いたって元気だからそういう心配は無用だよ〉
と返って来る。『急用』が何なのか、さっぱり腑に落ちなかった。
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