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「うちに、来て」
青山くんは顔を上げて私を見上げ、ううん、と首を横に振る。
「何で?」
「…ごめん。少し、ひとりで考えたいことがあるんだ」
「何を?」
「…ごめん。いまは、言えない」
「何で?」
「何ででも。有沙といたら、何も考えられなくなるから」
「どういう意味?」
早く電車を降りなければ、ドアが閉まる。
「降りて、早く。ドア、閉まる」
「急に、どうしたっていうの」
「考えが決まったら、ちゃんと言うから」
ドアが閉まる寸前、仕方なく私は電車を降りた。走り去る電車を見送る。私といたら何も考えられなくなる、ってどういう意味? エッチとか、そういうことしちゃうから?
一緒に考えることが出来ないということは、青山くんの身に、私には関係ない何かが起こっているということ?
「もう、何なのよ」
悶々としたまま、私は家に帰った。
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