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「いや、違うの」
「何が違うんだ。何かされたんじゃないのか?」
「違う」
「じゃあ、どうしておまえがそんな顔をしているんだ」
何を言っても青山くんが悪者。私は一人娘だ。お母さんと別れてから、お父さんには私だけ。心配が過ぎるのは仕方がないことだと諦めた。
「青山くん、この頃何日も、何かに悩んでいるみたいなの。でも、それを私には話してくれなくて」
「悩んでる? 進路のこととかか?」
「わかんない。いずれ、話すとは言ってくれてるんだけど。何かあったのかもしれなくて」
「いずれ、話すと言っているのか、そうか…」
お父さんはそれきり押し黙った。その沈黙に心が押しつぶされそうになる。怒りでもなんでもいいから、何か喋ってくれた方がどちらかというと楽な気がした。
お父さんの真顔をジッと見ているのが耐えられなくなってきて、私はテレビに顔を向け、内容など頭に入ってこないニュースを見ていた。
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