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「姫は、どうして、変わらないんだ……」
不審に思った王子様が、お姫様に尋ねました。
「実は……わたし、眠ると時間が戻るようなんです。前の日にあったことは覚えているので、見た目だけが戻るのです」
「どういうことだ」
「王子様と出会ったときに、残っていた茨で指を切ってしまったことを覚えていますか?」
「ああ」
お姫様は、そっと指を王子様に見せました。そこには、あのときのまま、小さな傷がありました。お姫様は、目覚めたそのときの姿のまま、時間が止まっていました。
呪いは、終わっていなかったのです。それを解くには、そう、お決まりの真実の愛です。
「わたしを、愛してくださいますか?」
「もちろんだ」
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