プロローグ

12/21

7人が本棚に入れています
本棚に追加
/239ページ
 俺はヘッドマウントディスプレイを外す。 『スカイ君、クリアはできなかったけど、ブラフに気付くとはね。眼が良い』 『スカイはロールプレイングよりシューティング系のがいいわね。でも、いきなり蹴るなんて、現実でやっちゃダメよ』 『面白い! もっとぶっ壊す感じのヤツはある?』 『あるけど、お祭りは? 行かなくていいのかい?』 『あっ、忘れてた! じゃあ、お先に』プラグを外して蓋をする。痛い。  俺は急いで自宅に帰る。  メルはもう浴衣に着替えて待っていた。 『スカイ、遅いよ~』 『悪い。5分で支度するから待ってて』  俺は自宅に戻り、浴衣を着る。 『スカイ、頼みがあるんだけど』 『何? 母さん、手短に』 『3000円あげるから、その内1000円で食べ物を買ってきて』 『分かった~』 ――俺とメルはお祭りの花火大会に行く。ヒュ~~~…………ドーン! 『打ち上げ花火なんて1年に1回観られれば良い方ね』 『俺は雷が観たいな。雲から雲へ走る稲妻とか格好良い』 『私には理解出来ないわ。流石は雷電為右衛門の子孫ね、フフフ』 『関係ないよ、アハハ。本当に雷電為右衛門の子孫か、今度じいさんに聞いてみよう』 『私、焼きそばが食べたいな』 『買えるかな? たこ焼きのが安くない?』 『ケチらないケチらない、フフフ』
/239ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加