プロローグ

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 俺はウォーパークをプレーする。5分戦って1300ユーザーくらいをキルした。アサルトライフルで片っ端からヘッドショットだ。 「スカイ? 聞こえる?」 『その声はオズ部長? 今忙しい』 「一旦、ログアウトして」 『まだ5分しかやってないよ。もうちょいやらせて』 「スカイ君、プレーを始めてから1時間も経つよ。そろそろマジで終わりにしようか。GL依存症になるよ?」 『嘘!? …………仕方ないな』  俺はゾーンに入ってたか。ヘッドマウントディスプレイを外し、プラグを抜く。痛い。 『スカイ君! …………凄すぎる! 新記録だよ』 『そんなに? 周りが雑魚なだけだよ。ローリミットだし』 『スカイ、10万円は振り込まれるわよ。出だしから無傷で1300キルを超えたみたいね』 『才能ですよ。1回もキルされなかった。みるみる内に強くなって。大型新人だ! サッカー部に来てくれてありがとう』 『頭がクラクラする』船酔いみたいな感じだ。 『GL依存症にはなってないみたいね。立てる?』  俺は立ち上がろうとする。脚に力が入らない。 『GL依存症になるとどうなる?』 『廃人になるよ』 『佐久間、スカイにちゃんと説明した?』 『あっ、いや、そのう……』 『12歳に30分以上、ウォーパークをプレーさせちゃダメよ』 『オズ部長、自己責任だ。佐久間先輩は悪くない。どれくらい休めばいい?』 『24時間は休みなさい』 『1日も? もっとやりたい!』 『12歳にウォーパークは刺激が強すぎるようね。脳が傷むわよ?』 『それは嫌だな』 『もう数年したらジュニアオリンピックに出せますよ』
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