チートの始まり

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――俺はオズ部長の家にあった中古の筐体を貰い、毎日、寝る前2時間くらいウォーパークをプレーした。オーバーワークなのは分かっていたが、早くオズ部長に近付きたかった。接近戦はハンドガンじゃ威力が弱い。遠距離戦はスナイパーライフルじゃ連射出来ない。中距離戦のアサルトライフルが合っていると実感する。オズ部長は消去法で俺を中距離支援にした訳じゃない。俺の総合的な特性を見抜いていたんだ。  3万キルを超えた、ある日。俺は授業中に教室で倒れた。 ――気が付くと、保健室のベッドの上だった。 『スカイ、目が覚めた?』 『メルか…………急に意識がなくなった』 『軽度のGL依存症だって。もう! 何やってるのよ! 心配させないで!』 『すまん、メル』 『1日どれくらいやってるの?』 『20分かな』  シャン! とカーテンが開く。白衣を着たケバいアラサーのおばさんが入ってきた。 『1日20分な訳ないでしょ。保健教諭の華子よ。もし、12歳で中度以上のGL依存症を発症したら一生治らないわよ。正直に話しなさい』 『…………1時間』 『そんなに?』 『全く。飯田スカイ、しばらくはGLにログインしない事ね』  嘘を吐こう。どうせ事故申告だ。 『は~い、分かりました~』 『嘘ね。嘘を吐くのは依存症の特徴よ。本当は2~3時間はやってるでしょ』  くっ、お見通しか……。
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