チートの始まり

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 俺はまず、屋内に入る。思い切りが大事だ。敵がアンブッシュしてても。2階建ての民家と庭がエリアだ。リビングに潜んでいた敵ユーザーをヘッドショットする。続いて2階に上がる時、出会い頭にもう1人ヘッドショットでキルする。俺は胸に1発被弾した。痛い……。ダイまで1分と表示された。現実なら即死だな、アハハ。  1分以内にもう2回敵をキルした。そして、ダイになる。10秒もリスタート出来ない。状況は!? 13キル対3キル。2階から庭を覗くと敵が居た。スナイパーライフルで敵2人を狙撃する。勝ったぞ! 「皆、撤収ー!」オズ部長が号令をかける。  俺達4人は現実世界に戻ってくる。 『スカイ君、やるね~。やっぱ筋が良い』佐久間先輩は興奮してる。ベンチでもチームが勝てば18歳問題は解決だ。 『何分経った? 3分くらい?』 『15分くらいね。ゾーンに入ってたの?』 『そうみたい。まただ』 『スカイ君が6キル1ダイ、部長が8キル0ダイ、…………僕は1キル2ダイ』 『カミユ先輩は負け越し……。大丈夫か?』 『カミユ君は足を引っ張ってる訳じゃないわよ?』 『戦略的なモノ?』 『部長を大会MVPにする為さ』 『ふ~ん。大会が用意するステージが一軒家みたいに狭かったら、中距離とか遠距離とか言ってられなくない?』 『まあ、そこは流動的にね』 『狭いステージはボイスチャットもNGよ、気が散るから。さあ、今日は解散。スカイ以外は自宅で自主練して。明日も最終調整よ』 『えー、もっとやりたい』 『明日まで我慢しなさい』
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