プロローグ

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 始業式まで時間がある。サッカー部の部室を覗いてみるか。  俺はメルと別れ、昇降口から右に曲がり、渡り廊下を通り、部室に行く。学園祭で来た事あるから大体分かる。ドアをノックしようとした時、ガチャ! 『あああ、何でだよ!? もう少しで勝てたのに! くそったれ畜生! …………君、誰?』メガネをかけた、見るからにサッカー選手とは思えない、ガリガリに痩せた男が出てきた。しかし、表札には確かに“サッカー部”と書かれていた。 『新入生だ。サッカー部の部室はここか?』 『おお~! 新入生か~。早速、案内しよう』この人はマネージャーかな? 女子マネージャーが良かったな、アハハ。  俺は当然、グラウンドを見に行くと思ったけど、痩せた男は部室の中で手招きしてる。  室内に入ると筐体が4台、水平対向に置かれていた。 『これってまさか……?』 『GLだよ。四年生の髪癒(カミユ)だ。宜しく』 『新入生? 嘘だろ?』 『こっちの太った男は三年生の佐久間だ。もう1人、居るんだが……部長が』 『サッカー部が……たったの3人!?』 『今から4人になったよ』 『ちょっと待った! 俺もカウントされてる?』 『勿論! サッカー部とは名ばかりにGLでプロゲーマーを育てる訓練所だな』 『カミユ先輩、16歳以下がGLにインするのは違法じゃ……』 『君は閉鎖的なところで育ったのかい? それとも親は公務員? 今は12歳からイン出来るよ。流石に賭けは出来ないけど、ここで特訓してプロゲーマーになれば将来安泰だよ。ところで君の名前は?』 『飯田スカイだ』 『宜しくね、スカイ君』 『じゃあ、教室に行くよ』逃げよう……でも待てよ? ゲームで生活出来るなんて夢のようじゃん。……ちょっと様子見だな。 ――俺は教室に行く。1年信長組だ。  この中学校の組名は変わっており、歴戦の武将の名が冠されている。今年の1年生は信長組と家康組の二組だけだ。  ツヨシ、ヨウヘイ、ミノル、メルは教室の左端に固まってた。 『何やってんの? 4人とも』 『だっ、だってよう、俺達以外は全員他校生だぞ』ツヨシはビビってるようだ。 『コミュニケーション、コミュニケーション、アハハ』 『3人とも、スカイ君の言う通りだよ。いつかは打ち解けなきゃいけないし』ミノルは度胸のある事を言える女の子だ。
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