黒猫は見た!

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黒猫は見た!

ああ、見てしまったにゃ。 二丁目の竹田さんの家に、泥棒が入ってもうたにゃ。 黒猫のポン太は石壁の上からその様子を眺めていた。 竹田家の熟年夫婦は奮発して、三日前からハワイ旅行に出かけている。 出かける間際、おばさんがポン太に自分に会えないのが寂しいのか、泣きながらさようならと言ったのを覚えている。 それを知ってのことか、あの泥棒は竹田家を狙ったのだ。 竹田のおばさんは、野良猫のポン太にいつも残晩飯やにぼしなどで餌付けしている。 このポン太という名前も竹田さんが付けてくれだのだ。 ついに恩返しをする時がきたにゃん。 ポン太は身軽に石壁から飛びおり、竹田さんの庭に入った。 泥棒は既に竹田家に侵入している。 まいったにゃ、どうやって入ればいいにゃ 正面の扉は猫であるポン太には到底開けることはできず、ほかの入口を探す他なかった。 庭の広さは、車1台止めれるスペースくらいある。 沢山の雑草が生い茂り、少し歩きづらい。 この窓から侵入するしかないにゃ。 庭に続く石の段差を一段登ったところに、大きな窓がある。 ポン太は助走をつけ、石段の上を飛び越え窓に直撃した。 青タン間違いないにゃ...     
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