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朝の騒動から暫く経ち、学生の毎日の恒例であるホームルームの時間がやって来た。
すると、キーンコーンカーンコーンと、誰しもが聞きなれている、しかし、擬音として例えると少し間抜けに聞こえるチャイムの音が、教室に鳴り響く。
その音を聞いた生徒達は条件反射のように自らの席へと着いて行き、すべての生徒が席についた頃、タイミング良く一人の教師が教室へと入室してきた。
「ほーら、お前ら席につけー…ってもう着いてるな。偉いぞ。」
そう言いながら出席簿片手に、頭を掻きながら入室してきたのは、背の高い男性教師。
短く切られた黒髪に、肉食動物を連想させる鋭い瞳の熊のような巨漢で、白衣が全く似合わないこの男は、うちのクラスの担任の横田克英(ヨコタカツヒデ)。
通称【かっちゃん】等と呼ばれて多くの生徒に親しまれている人気者だ。
まぁ、理由は先程の台詞を聞けば何となくわかるだろう。
強面な見た目に似合わず、陽気で明るく、面白い。
生徒という生き物は単純だ。
退屈な授業を繰り広げる教師より、面白可笑しい授業をする教師が良いに決まっている。
そう言うわけで、目の前の教師─こと、横田先生は非常に人気があるのだが、白衣が異常なほど似合わないのが玉に瑕だ。
それが欠点になり得るのか?と思う者も多いだろうが、事実、見ていて悲しくなるくらいには白衣が似合わないのだ。この教師は。
そして悲しすぎて見てられないため、生徒間でそれが彼の欠点だとされている。
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