良い人の定義

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******* 思えば、彼にこうして話し掛けられるようになったのはいつからだったか…。 確かな記憶はないが、彼も最初はこんな風に積極的に話しかけてくることはなかった。 ただのクラスメイトとしての距離を保ちつつ、良い人らしく、私が一人ハブれることの無いように気を使っていただけだった。 私と彼の関係は朝、教室で目が合えば挨拶する程度。 それが正解であったはずなのに。 どうしてかなぁ…。 「はぁぁ…。」 私は思わず、深い溜め息をついた。 原因は何となくわかっていた。 しかし、そうと仮定するには理由としてあまりに薄い。 「やっぱり…あの言葉かな…」 私は眉間に皺を寄せた仏頂面でそう溢した。 そして、その原因と思われる理由を眉間の皺を抑えながら思い出す。
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