10人が本棚に入れています
本棚に追加
*******
思えば、彼にこうして話し掛けられるようになったのはいつからだったか…。
確かな記憶はないが、彼も最初はこんな風に積極的に話しかけてくることはなかった。
ただのクラスメイトとしての距離を保ちつつ、良い人らしく、私が一人ハブれることの無いように気を使っていただけだった。
私と彼の関係は朝、教室で目が合えば挨拶する程度。
それが正解であったはずなのに。
どうしてかなぁ…。
「はぁぁ…。」
私は思わず、深い溜め息をついた。
原因は何となくわかっていた。
しかし、そうと仮定するには理由としてあまりに薄い。
「やっぱり…あの言葉かな…」
私は眉間に皺を寄せた仏頂面でそう溢した。
そして、その原因と思われる理由を眉間の皺を抑えながら思い出す。
最初のコメントを投稿しよう!