消えた温もりと赤い空。

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目の前に広がる赤い空ーー。 空といえば澄んだ青が常識だった。 しかし今、僕の目に映るのは血のような赤い色。 それが今の僕に見える景色。 それが今の僕の常識ーー。 いや、違うか....。 それはある一部の者にとっての認識....そう言うべきなのだろう。 青い空が見える者と、赤い空が見える者。 両者にどのような相違点があり、この現状があるのかは不明だが、ただ一つ現段階で判明している事が ある。 それは赤い空が見える者は、一週間以内に行方不明となるという事。 もっと明確に言うなら、消えるのだ....忽然と。 赤い空が見える者の隣人の多くは彼らが突然、視界内から消える瞬間を、目撃していた。 その瞬間を目撃した者達が、口を揃えて言う言葉....それは皆、モヤがかかったかのように視界がボヤけ、消えていったのだという。 僕はその話を聞いた時、消えた人達はどうなったのだろうかーーではなく、彼らは何処に消えたのだろうと考えた。 何故、そう考えたのかは分からない。 しかし、僕にはそれが当然の事のように感じていた。 そして・・・・・僕にもまた、他の消えた人々と同様、運命の日が近づいていたのである。
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