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「細かい過ぎるぞ?
コッコよりココの方が呼びやすいから、そう呼んでいるだけだなのだがな。」
姫と呼ばれし少女は、コッコという名の女性に向けて苦笑しながら言う。
僕は、そんな二人のやり取りを状況を把握出来ぬまま、呆然と見守る。
だが、その直後だった。
不意に僕に向けて「今、説明するから暫し、待っておれ夜月霞。」と少女が言う。
どうやら、また僕の心をミーティア【法式】とやらで読んだらしい。
そして、そんなこんなで要点のみ説明が始まった。
まずはこの世界の事。
この世界アールティーダは、僕の居た地球の次元に存在する世界なのだそうだ。
つまり、別次元の地球の位置に存在する世界らしい。
また、このアールティーダという世界は、地球とは異なる技術形態が発展していた。
それが精神感応素材を研究し、生活文化に取り入れてきた技術形態ミレイティブ【精法学】である。
この技術は精神作用に感応し、光を得たり熱を得たりするという起動方法を覗けば、科学そう変わらないのかも知れない。
そして、そんな大雑把な説明を終えるなり少女は僕が一番、聞きたかった事について語り出した。
姫の話しによるとフェルール【帰還者】は、此方の世界の血縁者らしい。
此方の学者達の研究によれば、フェルールは此方の世界に戻る際に、最も近き血縁者の元に戻るとの事だった。
その理屈からいうと僕は王族の血縁ってことになる。
つまり、この姫の遠縁ってことか?
僕はイマイチ状況を受け入れられず、姫を見据える。
「うん? まだ何か腑に落ちないか夜月霞?」
「まぁ、色々とーー。
例えば何で今頃になって、こんな現象が起こっているのかとか、元の世界に戻れるのとか。
言い出したら、切りがないけどね。
後、君の名前とか?」
「そういえば、言ってなかったな?」
僕はコクコクと頷きながら「聞いてません。」と返答した。
そんな僕に向けてクシンと呼ばれる騎士が、鋭い眼光を放つ。
多分、僕の言い方が無礼だとか、馴れ馴れしとか思ったんだろうが姫が許している以上、迂闊に手を出せなかったのだろう。
そして、そんな重々しい空気の中、姫は僕に向けて名乗った。
「心して聞くが良い。
我が名はアルティーダ王家百七代目、フェルセルド七世の第一王女ショフォ・ソーリッスだ。」
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