1.異彩な教え子

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 なにをやっても鈍くさいわたしが、まさか生徒に慕われていたなんて。  (えん)()帳を抱きしめてペコペコお辞儀を繰り返していると、プッとふき出す須藤くん。 「あっはは! 生真面目だねぇ~!」 「唯一の取り柄です!」 「頑張るのはいいけど……あんまムリしないでね? ただでさえ、六月のことで気ィ遣ってると思うし……あ」  しまった、というふうに口をつぐむ須藤くん。たしかに、裏表のない彼らしくない言動です。 「陰口みたいに……ごめん」 「いえ……六月くんが、なにか?」  六月くんのことを気にかけているのは、事実です。  彼がほかのみんなと同じように学校生活を送れるよう、手助けをするのが、わたしのつとめ。 「気になることがあれば、教えてください」 「んー……まぁ、あいつ、あんなんじゃん?」 「あんなん、とは?」 「オッドアイ、だっけ? 右が蒼で左が金とか、すげー色じゃん。聞いた話だと、アレのせいで六月、親に捨てられたって」 「そんな……」  
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