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鈍くさいわたしでも、わかります。
六月くんは、わたしにふれてほしくないんだって。
それでもワイシャツの裾をつかんで離さないのは、わたしの、なけなしの意地なんです。
「わたし、こう見えて図太いんです。なのでっ、サンドバッグには適役かと!」
「……先生」
「あっ、こ、言葉のアヤですけど!」
物理的なのはひとたまりもないですし……聞き手なら得意って意味で!
「友達を作れとは、言いません! ただ、なにか溜め込んでいることがあるなら、吐き出してほしいです!」
えらそうな口を聞ける人間ではないですが、知ってほしいんです。
(決めつけてるわけじゃないよ! クラスメイトがそんなふうに言われてるのって、なんか、イヤじゃん……)
須藤くんはそう言ってくれていました。
だから六月くんが思うより、世界は息苦しくないってことを。
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