2.数をかぞえて

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「ですから……!」 「もういいです」 「……っ」  わかってはいたけれど……やっぱり、堪えますね。生徒に、拒否されるのは。 「おれ、わかってました。アナタはきっと、手を差し伸べてくれるって」  ……あ、れ。  六月くんはいつ、わたしを振り返ったのでしょう。 「ふぅちゃん、ふぅちゃん」  薄明るい部屋に、突如としてうまれた太陽の笑みも……とろっとろのハチミツにまみれた、誰かの名前も……わたしには、意味がとんとわかりません。  だのに彼は、たしかに、わたしをとらえて離さないのです。 「アナタは、ふぅちゃん。おれがダイスキな――(ふた)()ちゃん」 「――っ!!?」  ――フ タ バ  心臓が脈打ちます。  得体の知れない焦りに、後ろへ1歩。
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