3.恋慕という狂気

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(わたしは六月くんと、どこにいた……?)  生徒指導室です。  わたしがそれを、六月くん以外に伝えることはありません。そぶりも見せません。  彼の、名誉のために。 「ちがうんだ? 抱き合ってたじゃん。見てらんなかったから、最後まで知らないけど……あのまま、抱かれたんじゃないの?」 「そんなことっ……!」 「あるわけないよね。(みつ)()は、俺のだから」 「きゃあっ!?」  口早に放って、須藤くんはわたしの腕を、強引に引き……プールへと、放り出しました。
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